東京電力福島第1原発事故から12年

3月11日東日本大震災から12年を迎えます。全国で関連死を含めて死者・行方不明者が2万2212人となり、今なお2000人を超える行方不明の方々がいることに心が痛みます。そして現在も3万人余の方々が避難生活を余儀なくされています。復興されつつあるまちの様子が報道で取り上げられていますが、避難生活が長引くにつれ、避難先での生活基盤が出来上がり、戻ることをあきらめた方も多く、災害復興の難しさを考えます。さらに原発事故によって故郷を奪われ、復興にも着手できない地域があることを忘れてはならないと痛切に思います。

■原発の是非を問う原発都民投票

原発都民投票条例の直接請求署名簿を東京都に届けた。後ろに見える署名簿の箱は都民32万人の切実な思いが詰まっている。(2012年5月10日東京都庁ロビーにて)

品川・生活者ネットワークは、東京電力福島第1原発事故が起きた2011年暮れから新年にかけて、福島原発の電力供給を受けてきた都民の責任として、東京電力福島原発の株主である東京都に対して、『原子力発電の是非を問う原発都民投票の直接請求』に取り組みました。署名期間は2か月、都内自治体ごとに署名は集められ、東京都民有権者の32万3076人の署名が集められました。品川区では連日大井町ヤマダ電機前や受任者となった方たちが地域で呼びかけ、9000筆を超える署名が集まりました。現品川・生活者ネットワーク区議会議員田中さやかは受任者として署名を集め、原発事故がきっかけで、放射能から子どもを守りたいと2015年区議会議員となりました。

原発都民投票条例制定を求める直接請求署名簿が5月10日に東京都に提出され、当時の石原都知事は反対の意見を付して議会に上程。結果は、都議会本会議で、賛成41人(民主30 共産8 生活者ネット・みらい3)反対82人(自民37 公明23 無所属3 民主19)で原発都民投票条例は否決された経緯があります。ちなみに現品川・生活者ネットワーク区議会議員吉田ゆみこは、議員となる前に直接請求代表者の一人として都議会本会議場で意見陳述をしています。

■さよなら原発品川アクション

大井町ヤマダ電機前で毎月行っている宣伝活動(2023年1月)

ここ品川区では、区内在住・在勤の市民が集まって、さよなら原発品川アクションという市民団体を2011年9月に立ち上げました。福島の原発事故被害者に寄り添い、この事故を風化させない。そして原発のない社会をめざしてに、毎月の街宣活動や講演会、共感と賛同を求める脱原発パレードを継続して行っています。品川・生活者ネットワークも賛同し、ともに活動しています。

来る3月19日(日)には第17回『命が大事!原発いらない、汚染水を海に流すな品川パレード』が行われます。
10:30品川中央公園ミニ集会(区役所前)11:00パレード出発→大井町駅→浅間台公園解散

さよなら原発品川アクションの活動に賛同し、品川・生活者ネットワークもパレードに参加。 主催:原発いらない・さよなら原発品川パレード実行委員会(2017年4月パレード前のミニ集会後の集合写真)

■原発回帰は許されない

東京オリンピック招致の際に、故安部元総理が福島原発はアンダーコントロールと発信した姿は今でも怒りしかありません。福島原発事故処理は1号機の廃炉作業は計画通りには進まず、延期延期の状態です。さらに、汚染水は希釈するから問題なしと突如海洋放出を閣議決定しました。これに対して東北の関係漁業組合は反対声明を出しています。汚染された土を新宿御苑に持ってくるというような報道もあります。先に触れたように福島原発の周辺は期間困難地区としていまだ故郷に帰りたくとも帰れない人もいます。

ところが岸田政権は、前2回の国政選挙(衆院・参院選)をはじめ、国会にも国民にも何ら事前説明もせずに、原発の新増設、最長60年としてきた原発の運転期間60年の延長、電力の安定供給と脱炭素社会の実現に向け原発活用、次世代原発の開発などを打ち出し閣議決定しました。多くの国民の脱原発の考えとかけ離れているとしか言えません。

品川・生活者ネットワークは、原発ゼロ!原発再稼働ノー!省エネ・再エネ100%のまちをめざすして、今後も発信、活動していきます。