【政治と宗教】行政及び議会が宗教によって 「政治的な差別」を行わないことを求める陳情 に、反対しました。

2023.1.17の都政新報に陳情に対する品川・生活者ネットワークのコメントが掲載されました。

「特定の宗教や関連団体と関係を断つ決議をしないこと」を求める陳情が、地方議会に相次いでいるという報道があります。
品川区議会にも同様の主旨の陳情が提出され、2023年1月12日(水)の議会運営委員会で審査しました。
本陳情は、いま、さまざまな報道で反社会的行為を行った特定の宗教団体のことを想定していることは明らかです。

品川区に提出された陳情項目では、
❶品川区議会が、区民に中立・公平・公正な立場を超えて「特定の宗教及びその関連団体(所属する区民)とは一切の関係を持たない」などと宣言しないこと
❷品川区議会が、首長又は区議会議員に対し、特定の宗教及びその関連団体(所属する区民)との関わりを調査・質問しないこと
❸品川区議会が、「反社会的団体と関わりを持たない」などと宣言する場合には、「反社会的団体」の正確な定義 及び 特定団体を「反社会的団体」と判断する法的根拠を明確に示すこと
…以上3点が示されていました。

審査では、自民党、公明党、共産党と、私たち地域政党 品川・生活者ネットワークは意見を述べ、不採択を主張。
イノベーションしながわは意見を述べることなく不採択を主張し、全会派一致でこの陳情は不採択となりました。

以下、品川・生活者ネットワークが不採択と判断した理由を述べます。

日本国憲法20条にある「信教の自由」は誰にでも認められた権利であり、これを侵害することはあってはなりません。
統一教会の問題は、統一教会が起こした「反社会的な行為」が問題です。
例えば、法外な金額で「壺」などを売りつける詐欺まがいの商法や、家庭の所得や収入を大幅に超える高額寄付への誘導が問題であり、この結果、家庭が崩壊。その中には、命を絶つまでに追いやられた人たちがいます。
また、統一教会やそのほかの宗教の一部では、憲法20条2項の「何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。」ということが守られておらず、子どもたちに信仰が強制されている事実があり、現在にも続く深刻な2世3世問題へと繋がっています。
これは、大変な問題であると生活者ネットワークは考えます。

「反社会的な行為」や、「違法行為」は、何人でも行うことは許されません。
ですので、このような行為がある個人、団体と品川区や、区長、区議会議員が関係があったのであれば、私達、区議会議員は議員の役割として、調査・質問はしなければならず、議会で取り上げるのは当然です。
現に、品川・生活者ネットワークは議会質問の中で、反社会的な行為を行ってきた統一教会と、品川区や品川区議会の関係を遡って調査し、市民の不安払しょくに向けて調査結果を広く公開することや、宗教2世、3世の子どもの救済、子どもの権利擁護機関の設置を早急に進めるように区に求めています。よって、陳情項目❷は特に了承することはできません。

但し、「反社会的行為」の定義については、
一部の権力者が決めるのではなく、市民との広く慎重な議論が必要。

国、一部の権力者が「反社会的行為」の定義を決めるのは、第2次世界大戦で日本が市民に行った過ちを見ても非常に危険なことであり、様々な立場の人たちとの広く慎重な議論が必要だと生活者ネットワークは考えます。

…以上の理由から、品川・生活者ネットワークは、行政および議会が宗教によって「政治的な差別」を行わないことを求める陳情に反対しました。

みなさまからのご意見をお待ちしております。

幹事長 田中さやか