第2回定例議会のご報告

7月17日、第2回定例議会の報告をする田中さやか(右)と吉田ゆみこ。

7月14日に閉会しました2021年品川区議会第2回定例会のご報告をします
今議会に上程されたのは区長提案の条例議案が8件、契約議案が5件、事件議案が1件でした。また予算議案として補正予算が提案されました。
第40号議案として手話言語条例が上程され、全会一致で可決されました。
品川・生活者ネットワークは第44号議案「学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」に反対し、その他はすべて賛成しました。

品川区に手話言語条例が制定されました。
手話言語条例とは、手話を必要とする人たちが安心して生活することができる地域社会を実現するため、手話に対する理解の促進及び普及を図ることを目的とする条例です。
聴覚障がい者の皆さんが長年にわたって陳情提出など、区と区議会に対し粘り強い働きかけをおこなってこられましたが、今回その活動が結実し、全会一致での条例制定となりました。
今後は、手話への理解や普及について具体策を進めるとともに、手話を使えない聴覚障がい者への情報保障も進めていくことが必要です。
併せて、情報弱者になりやすいすべての障がい者への情報保障についても進めていく必要があります。

第44号議案に反対した理由をご報告します。
本条例は、品川区として独自に採用した教員に、統轄副校長という立場を創設することに伴って、給与条例を改正するものです。改正理由は以下の通りです。

基本的に、公立学校の教員は都の教育委員会が採用し、各自治体に配置されます。それに対して、品川区では、区の教育委員会が独自に品川区の固有教員を採用しています。しかし、区の固有教員は法律の制約で校長職につける6級職にはなれません。そこで、区の条例改正により区固有教員が6級職になれるようにするというものです。さらに6級職とした区固有教員を校長職に相当する職として、義務教育学校へ「統括副校長」の役職で任用・配置するというのです。

区の固有教員が6級職になれるようにするのは良いと思います。しかし、義務教育学校に統括副校長という新たな職を配置するということには疑問が残ります。
品川区は、区独自に教育要領を定め、小中一貫教育や市民科、英語教育などを推進するとしています。特に義務教育学校はその一翼を担う立場であると位置づけています。だから、その義務教育学校に校長とは別に区固有教員の統括副校長を配置するというのです。

委員会審議においても、各会派の委員から指示系統に混乱は生じないのか?地域の人たちから分かりにくくはないのか?PTAや子どもたちから見てどのように見えると考えるのか?など疑問が次々に出されました。

生活者ネットワークとしても同様の疑問を持ちました。最終的に反対が妥当としたのは制度設計にあたっての合意形成の不充分さです。制度設計の手順を質問したとき、現場の教員や地域の人たちへの説明はされていないことが読み取れました。これでは義務教育学校を制定した時と同じ混乱が起こります。

理事者からは統括副校長については「学園長」という呼称を検討しているという発言もありました。一つの学校に校長と副校長と学園長が存在するのです。それを「悪い」と決めつけるつもりはありませんが分かりにくいのは間違いありません。そのような制度にするなら、決める前に現場の校長、教員、地域の人たち、PTAに十分説明をし、意見を聞いて納得してもらうための努力と時間をかけるべきです。

以上の理由で反対しました。