陳情の賛成討論を最終本会議で行いました。

品川区議会第3回定例会は9月18日(木)に開会し、10月23日(木)に閉会しました。

最終本会議では、陳情6本に対する討論がおこなわれ、議場で議員が起立で採決をしました。
品川・生活者ネットワークの吉田ゆみこが賛成討論を行ったのは、陳情第37号『相談カルテ導入を要望する陳情』です。

賛成討論全文はこちら

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以下は賛成討論文です。

品川・生活者ネットワークの吉田ゆみこ、2025年 陳情 第37号 「相談カルテ導入を要望する陳情」に賛成の立場で討論を行います。 

本陳情者は、現在の品川区の行政窓口が、縦割りの行政組織を反映して「縦割り」となっているため、相談に訪れた区民が、各窓口で同じ説明を繰り返す必要があり、相談者にとって大きな負担となっていること、そしてその負担が不満を生み、時にはカスタマーハラスメントの原因になる可能性があることも指摘しています。
さらに相談を受ける側の職員にとっても事情を把握するのに時間を奪われ、迅速かつ的確な支援が難しくなるという職員の負担についても指摘しています。
それらの課題の解決方法として相談に訪れた区民の相談履歴を病院のカルテのように一元管理する「相談カルテシステム」の導入を他の自治体の先行事例を紹介しつつ、同様のシステム導入を品川区に求めるのが本陳情の趣旨です。 

品川・生活者ネットワークは、これまでに何度か同様の仕組みを議会の中で提案してきました。
品川・生活者ネットワークとしてこの仕組みの提案に至ったきっかけはDV被害者からのご相談でした。DV被害者の方が区に相談に訪れた際に、相談の段階が進むたびに、思い出したくもない被害状況を繰り返し説明することが辛かったというご相談でした。これはまさにご相談者にとっては二次被害であり、この場合の二次的な加害者は区の相談窓口となってしまいます。
もちろん、相談窓口の職員に罪はなく支援につなげたいという使命感で丁寧に事情の聞き取りを行っているにすぎません。しかしそれがDV被害の当事者には二次被害になってしまう可能性があるのです。
セクシャルハラスメントの被害者からのご相談の場合も同様のことが想定できます。こうした辛いご相談をされる方、そしてそのご相談に対応する相談窓口の職員、双方を二次被害者、そして意図してはいないとは言え二次的な加害者にしてしまうことも防ぎたいという思いから、この度の「相談カルテ」と同様の仕組みを品川・生活者ネットワークは提案してきました。 

しかし、この度の陳情を受けて、相談者の相談内容をカルテにして一元管理することは二次被害や二次加害を防ぐだけでなく、相談者の負担軽減、そして相談を受けた区の職員にとっての業務の負担軽減にもつながることに気づきました。非常に合理的な仕組みであると考えます。 

以上の理由から、相談者、区の職員双方の負担軽減につながる仕組みを提案する本陳情に賛成することを皆様に呼びかけて賛成討論といたします。