品川区議会第１回定例議会のご報告

2月20日に始まった2020年の品川区議会第１回定例議会は3月27日の最終本会議を以って終了しました。
条例議案13件、契約議案1件、事件議案4件が提出されました。そして極めて異例なことですが最終本会議に急遽補正予算案が上程されました。また、例年通り予算特別委員会が開かれ、そこでは予算議案9件について審議されました。

生活者ネットワークとしては、条例議案で第10号議案「品川区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用および特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例」と第１１号議案「品川区職員定数条例の一部を改正する条例」、第27号議案「品川区国民健康保険条例の一部を改正する条例」に反対しました。
予算議案では第6号議案「令和２年度品川区国民健康保険事業会計予算」に反対しました。その他の議案はすべて賛成しました。
以下反対した議案について簡単に反対理由を述べます。

第10号議案
この議案は個人番号カードに関する議案です。生活者ネットワークは個人番号カードに反対しています。個人情報の流出の危険があることと、権力のある立場の者が個人情報を一括で管理することにつながる危険があることがその理由です。今回の議案は個人番号カードの利用範囲を広げるものであり、危険性も増すことになります。したがって反対しました。

第１１号議案
今年度の区の職員の上限を定めるものです。今回は「児童相談所の開設準備のため」として人数を増やしており、その点は評価できますが、品川区全体として職員の数が足りず一人当たりへの負荷が多大であることは間違いありません。例えば保育園や学校での用務職などはその役割の大切さが軽視され、減らされてきています。必要な人員は区民へのサービスの点からも、職員の働き方への配慮からもきちんと確保すべきです。したがって反対しました。

第27号議案
今年度の国民健康保険料に関わる議案です。国民健康保険料は区としても認めるほど高くなっています。
2018年に国民健康保険制度が大きく変わりました。それをきっかけに国は、保険料低減策として現在区の一般財源から国民健康保険特別会計に繰り入れられている「法定外繰入金」を「段階的に解消していく」ことを求めるようになりました。品川区はその求めに応じて最終的に繰り入れをなくす方向です。しかし、区の判断で繰り入れを継続することも可能であり、品川区の財政ではそれは可能です。また、高額医療費についても保険料で賄うことになるため、今後も保険料は上がります。区は「国保財政の安定化」「国民皆保険の維持」のため、と言いますがすでに保険料が払えないため皆保険制度に参加ができない人たちがいます。また、負担感は中所得者層まで広がっています。皆保険制度維持のためには国全体で制度自体を社会保障のしくみとして構築しなおすべきであり、区としては国へそれを主張しつつそれまでは保険料低減策を継続すべきです。したがって反対しました。

予算議案第6号議案
これは上記第27号議案を前提とした予算議案です。したがって反対しました。

最終本会議に補正予算案提出
また、今回の議会では新型コロナウイルス感染拡大への影響が急速に広がっていることから、対応と予防のために急遽補正予算が組まれました。予算委員会で次年度予算での審議終了とほぼ同時のタイミングで補正予算が提案されるのは極めて異例のことですが、急速に広がる感染拡大への対応としては妥当な措置と考えます。補正予算審議は最終本会議の日に上程され、直ちに本会議を休憩して各委員会で審議、再開された本会議では全会一致で可決しました。
生活者ネットワークとしても、当面必要な予算であると判断しました。なお、補正予算の原資は財政調整基金の取り崩しと、国からの補助金です。
　品川・生活者ネットワーク　幹事長 吉田ゆみこ/ 政調会長 田中さやか