どうなる?市民科と道徳教育 学習会を開催しました。

2018年6月22日 12時08分 | カテゴリー: トピックス

急きょな開催にもかかわらず活発な意見交換の場となった。2018.6.13きゅりあんグループ室

文科省・中央教育審議会(中教審)は、2014年10月に道徳を「特別の教科」として正規の教科に格上げする答申を行ないました。それを受けて文科省は2018年度から小学校、2019年度中学校で道徳の教科化を実施するとして、現在に至っています。道徳が特別な教科として教科化され、評価を求められるようになりました。

品川区は小中一貫教育の中に品川区独自の教科として「市民科」があります。道徳、特別活動(学級活動)、総合的な学習の時間を統合し、カリキュラムを区が作成しています。
道徳教科化で市民科の道徳がどのように変わるのか、また教師の評価はどのように行われるのか大変気になるところでした。
そこで、中学校の道徳教科書の法定展示中でもあることから、急きょ、品川区教育委員会教育総合支援センター長に講師を依頼し、6月13日(水)きゅりあんグループ室で、区の教育現場の状況を聴く学習会を開催しました。

そもそもなぜ、道徳の時間を「道徳科」としなければならなかったのか。背景にはいじめによる自殺や教育委員会や行政の対応の不手際があります。そしてそこには政治的な思惑があることも否めません。

道徳を教科とするということは評価を行うことが必須となります。「教科化して人間としての生き方を学ぶことが必要」など賛成の声がある一方、「一定の価値観や規範意識の押しつけにつながることが危惧される」といった反対意見もあります。『ふつうみんなこう考える』ということの『ふつう』がいかに『ふつう』でないかは、育った地域や環境、または周りの大人の価値観で大きく違うことをだれもが経験します。そういったことに対して評価をするということに違和感があり、疑問を呈する声が多くあることは事実です。

教育委員会事務局教育総合支援センター長 大関浩仁さん

 

品川区は学校や教諭によってはいくらかの違いはあるものの、今年も例年と同様に道徳の教科書は参考という活用に留まっていると言います。気になる評価も数字評価ではなく、文章で記載ということでした。市民科の評価も従前文章で行われており、変更はありません。小中の子のいる保護者からは、先生が市民科の評価で子どもの長所をみい出してコメントを書いてくれていることがうれしいという発言がありました。

2020年より「品川区立学校教育要領」が全面実施となり、併せて市民科教科書が改訂されます。新しい市民科の目標には「自分自身について考え、常に自己変革を図っていく資質と能力を育てる」という記述があります。参加者からこの目標を評価するという発言があり、この目標達成には子どもたちに「子どもの権利条約」を教え、これを基盤に指導していくという大人の姿勢が求められるという意見がありました。まったく同感です。

「品川区立学校教育要領」
市民科 232ページ、233ページ記載

 

昨年小学校の道徳教科書を選定し、今年は中学校の道徳教科の選考がこれから教育委員会で始まります。展示中の教科書によっては「愛国心」や「家族のたすけあい」を強調する記述のある教科書もあるようです。子どもたちが目にする教科書です。良い機会ですので市民として、そして保護者としてチェックすることをお勧めします。

この学習会への参加を機に、法定展示の行われている品川図書館に絶対行くよという参加者の発言もありました。

関心のある方に十分な情報を届けられなかったと反省しつつも、区政に関わる問題についてタイムリーな情報と有意義な企画を今後も発信していきます。

中学校の道徳教科書展示会

特別展示 6月   4日(月)~14日(木) 教科書センター(五反田文化センター内)
法定展示 6月15日(金)~28日(木) 品川図書館
6月15日(金)~30日(土) 教科書センター(五反田文化センター内)
(いずれも9:00~17:00)