第三回定例議会最終本会議で討論を行いました。

10月19日、第三回定例議会の最終本会議が行われました。品川・生活者ネットワークとして討論を2本行いました。「第63号議案 品川区立図書館条例の一部改正する条例案」に反対する討論と「陳情第7号大崎駅西口F南地区再開発計画の住民への説明に関する陳情」に賛成する討論です。以下に掲載しますのでご覧ください。

◆第63号議案「品川区立図書館条例の一部改正する条例案」に反対する討論。

品川・生活者ネットワークを代表して、第63号議案 品川区立図書館条例の一部を改正する条例に反対の立場で討論します。

この条例改正案は大崎図書館を移転することを前提としています。しかし、大崎図書館の移転は決定に至る手順に大きな瑕疵があると考えます。

大崎図書館の移転が初めて議会での議論に出されたのは、2014年の1月21日の行財政改革特別委員会でした。この時点での主題は御殿山小学校西側敷地の活用計画(案)についての議論であり、この計画に入れる案として文化教育施設が考えられており、文化教育施設の一つの考え方として区は図書館を考えている。そのまた一つの考え方として大崎図書館の移転もある、ということでした。大崎図書館移転は「あくまで案のそのまた考え方の一つ」として示されたにすぎません。

ところが、同年4月16日の同委員会には決定したものとして報告されています。「案の中の考え方の一つ」として示されてからわずか3か月です。その次の5月13日の同委員会では品川・生活者ネットワークから「現在大崎図書館の利用者と近隣の住民の方たちの反応」について質問をしたところ、「具体的な形で何か意見を聴取していることはない」と言う答弁でした。

図書館の存在はその地域に住む人たちにとってはとても大きなものです。まして大崎図書館は区内でも利用率の高い図書館であり、図書館が生活の一部になっている方たちがたくさんおられます。5月13日の委員会では「そもそもこの話が公の形で何か大きく公表したりというものではない」という答弁もありましたが、大きく公表しないまでも少なくとも図書館の利用者や近隣の方たちには、「案のまた考え方の一つ」の段階で説明会を開き、ご意見を聴くべきでした。その後、説明会などが開かれたことは承知していますが、それはあくまで移転計画を前提としたものでした。

品川区は基本構想に「区の考えを分かりやすく区民に伝え、情報公開を進めるとともに、区民の声に耳を澄ませて区民参加の区政運営を進めていかなければなりません。」と示しています。また、長期基本計画では基本方針のひとつとして、「協働による区政運営を推進する」ことを掲げ、その基本政策として「協働の基礎となる情報公開と積極的な情報提供を進め、情報を必要とする区民に確実に伝えられるよう、受け手の状況に応じ多様な媒体の強みを活かした情報発信を充実」することを唱えています。長期基本計画が唱えるとおり協働には情報提供が基礎であり大前提です。

図書館移転の決定において、最初にあるべき適正な手続きを踏まないまま、現状を進めてきた結果の条例改正案には納得できません。以上の理由により本条例案に反対いたします。以上です。

◆陳情第7号「大崎駅西口F南地区再開発計画の住民への説明に関する陳情」に賛成する討論

品川・生活者ネットワークを代表して「大崎駅西口F南地区再開発計画の住民への説明に関する陳情」に賛成の立場で討論します。

本陳情は大崎駅西口F南地区再開発の計画について、都市計画法第16条1項に基づいて地権者への説明だけではなく、多大な影響を受ける周辺住民の意見を反映させるために、都市計画決定権者である品川区が周辺の住民に対して、公開の場で案について説明し、意見陳述の機会を確保するよう区議会から区に対して働きかけることを求めるものです。

9月25日の建設委員会での審議において、区は都市計画法第16条1項を根拠とする説明会を実施しない理由として、再開発組合と事業者が充分に説明していることをあげています。委員審議においても、充分な説明がなされたとして、賛成少数で不採択となりました。しかし、本計画は都市計画の決定に関わるものです。都市計画決定や変更に関する説明責任は区と都にあり、説明会も区や都が行うべきと考えます。

地権者に対する説明はなされたということですが、陳情者はこの計画によって多大な影響を受ける周辺住民も含めて説明を受け、意見陳述の場を求めています。

この計画は大崎駅西口周辺のまちづくりに関わる大きな計画です。まちづくりは地権者だけでできるものではありません。計画に影響を受けるより広い人々への説明と意見陳述の機会を求めて議会に働きかけてきた陳情者の願いは当然と考えます。

品川区は区自身の様々な計画の中で区民との協働によるまちづくりを呼びかけています。協働の基礎は情報提供です。情報提供がなければ協働は生まれません。説明責任については法を根拠とするまでもなく、区議会は品川区が自ら掲げる「区民との協働」の理念を進めるためにも、区に対して説明会と意見陳述の場を設けることを働きかけるべきです。

以上の理由により、本陳情を採択することを主張し、品川・生活者ネットワークの賛成討論を終わります。