臨時議会報告~波乱の議長選挙!!

5月27日に選挙後初めての議会となる臨時議会が開催されました。この日に今年度の議会の議長・副議長5つの常任委員会、2つの特別委員会、議会運営委員会のメンバー正式に確定し、議会の体制が固まります。議長・副議長は選挙で、委員会の委員長副委員長は互選によって決まりました。

品川・生活者ネットワークは、常任委員会については田中さやかが総務委員会、吉田ゆみこが建設委員会に所属。特別委員会は吉田ゆみこがオリンピック・パラリンピック推進特別委員会に所属します。

実はこれらの選挙や互選については、各会派の話し合いによる長年の取り決めがあり、大きな会派ばかりが議長・副議長、委員長・副委員長などの役職を独占しないように事前の調整を行います。従って、例年は票が割れることはなく淡々と「選挙」が進んでいきます。ところが、今回の議長・副議長選挙は大きく票が割れました。議長は40人中23票、副議長は30票で決定しました。このようになった理由は、大きな会派がこれまでの取り決めを突然やぶるという暴挙に出たからです。
少し長くなりますが、以下にその経緯をご報告します。

要因は会派メンバーの決定から
そもそも波乱の要因は会派の構成メンバーの決定にありました。
選挙の後、会派を誰とどのように組むかについては、40人の議員にとっては今後の議会活動を行う上での重要な問題です。会派の名称やメンバーの届け出は5月8日までと定められていました。
生活者ネットワークも、この提出締め切りに間に合うよう届け出ていました。最初の幹事長会は5月10日に開かれ、その後各派協議会が4回開催される予定でした。

波乱の各派協議会!
波乱は1回目の各派協議会が開かれた5月14日に起こりました。私は10日の幹事長会で初めてどんな会派がどんな人数で構成されたかを知ったのですが、各派協議会の前に第二会派の幹事長から、「会派の人数が一人増えた」という報告を受けました。会派届け出提出日以降にそのようなことができるのか、とそれだけでも疑問でしたが、最初の各派協議会では「会派の人数が変わったため、幹事長会の時には第二会派だったところが第一会派となるが、幹事長会で既に決まっていた議員の委員会への割り振りなどはどうしても変更が必要な部分以外は極力変えずに行きたい」という提案で、その「変えない」ものの中に議長や副議長等の役職の割り振りも含まれていたのは驚きでした。

反故にされた「長年の取り決め」
これこそが、長年の取り決めを破るものに他なりません。議会内での役職があらかじめの取り決めで会派に配分されていることには異論もあるかと思います。しかし、本当の選挙では、今の議会構成では大きな会派のみが役職を独占しかねず、現にすべての役職を第一会派が独占する自治体議会もあります。それを防ぐための「取り決めに従っての事前の調整」です。それを大きな会派が話し合いもなく自分たちだけの都合で破るというのは「長年の取り決め」の意義を無視するものです。
当然各派協議会では様々意見が出されましたが、最終的にはこの件については「今後のルール作りの必要性も含めて」議会運営委員会に申し送るという付帯をつけて第一会派と第二会派の「強いお願い」に押し切られる形で決まってしまいました。

以上が、異例の議長・副議長選挙となった顛末です。
議長・副議長選挙という主要な議会人事についての混乱は、品川・活者ネットワークが議席を得て以来、初めての経験です。推薦された議員に票を入れなかった理由は一つではないと思いますが、少なからぬ議員が今回の議長選挙には納得できなかったということは明白な事実として品川区議会史上に残ることになります。

その他にも、生活者ネットワークとしては議長選挙の手法について意見を述べました。議長・副議長の「事前の調整」の意味は認めるが、「選挙」を標榜する以上、議場での立候補表明と所信表明をして欲しいと主張しましたが、これも「議会運営委員会に申し送る」こととして今回の議長選挙には容れられませんでした。この件については、無所属の議員の中からも同様の意見が出ています。今のやり方を基本的には踏襲するものであり、「選挙」のやり方としては極めてオーソドックスな形です。なぜ、認められないのか?理解しがたいと言わざるを得ません。(よしだ・ゆみこ)