品川区議会第三回定例会を終えて
2016年第三回定例本会議が10月24日に閉会しました。
今議会の区長提案は、条例議案が6件、契約議案が1件、事件議案(今回は品川児童学園の指定管理者の指定)が1件、予算案件(一般会計補正予算)が1件で、すべて原案通り可決されました。また第3回定例会では決算特別委員会が設置され、2015年度の一般会計および各種特別会計の決算が賛成多数で認定することが可決されました。
品川・生活者ネットワークは、2015年度各種特別会計の決算認定には賛成しましたが、一般会計の決算の認定には反対をしました。その主な理由は予算執行に関連する余剰金と繰越金および積立金の扱いの考え方に納得がいかなかった点にあります。
生活者ネットワークは、第一回定例会で諮られた2015年度最終補正予算に対し、文化スポーツ振興基金に30億円を一気に積み上げることに異議を唱えて反対をしています。この30億円はすでに支出として決算されているため当然反対なわけですが、納得できない点は他にもあります。
2014年から2015年に繰り越された余剰金は37億2千万円に上りました。ある程度は次年度に繰り越せるよう黒字決算を目指すのは行政として当然ではありますが、問題はその額であり、使われ方です。また、繰り越金がこの2~3年増え続けている点についても予算立ての精度と執行のあり方に疑問を感じます。
区はこの要因を税収の増であり、それが見込み以上にであったと説明しています。それならば次年度の一般財源に繰り越して特に困難な立場の人たちのために手厚く使うなら理解できます。しかし、2015年度に積み上げられた基金の総額は文化スポーツ振興基金の30億円も含めると98億円となっていることを見ると、とてもそのような使われ方をしているとは判断できません。
一方で、例えば民生費の扶助費を取り出して点検すると使われずに不用額として計上されたのが14億円に上ります。区は決して必要な支出を抑えたということはなく、民生費の支出も前年度より増えていると説明しますが、福祉施設建設費等を含む総額で見れば、大きく跳ね上がることは自明であり、説明にはなっていません。
区の財政運営については、ただ黒字を積み上げればよいものではないはずで、総括質疑においてこの点について質疑を行いましたが、納得できる答弁は得られず、決算の認定はできないと判断しました。
品川・生活者ネットワーク
幹事長 吉田ゆみこ
政調会長 田中さやか