先進各国では、国民生活を守るため経済政策をはじめとして次々と対策を講じている中、日本政府の迷走ぶりは目を覆いたくなる状況です。深刻な不安を抱えた多くの国民の暮らしを見ず、将来の国の在り様を描くこともなく、政権に固執するあまりその場しのぎを繰り返しているとしか感じられません。
このことに多くの人は気づき始めています。そして、職や住まいを失うことも、医療や介護の担い手不足により必要なサービスが受けにくいことなども、私たちの身近なところで実際に起こっています。先送りできない今の状況を変えるには、国のリーダーシップを待つだけでなく、自治体でアイデアを出し、行政・住民・企業が一体となって取り組む地域づくりを実行することが必要です。
東京都はいったい何を優先すべきなのか、品川区として何ができるか・・・。それを皆で考え各々が実行するとき、小さな市民発の取り組みも大きなうねりを生み出す可能性があります。
例えば、生活者ネットが提案してきた「居場所づくり」のひとつとして、区が現在推し進めている『ほっと・サロン事業』は、共に食卓を囲む場を品川区内に幾つもつくり、市民が企画・運営を担うというものです。一人暮らしでバランスの取れた食事がしにくい方、高齢のため食事の準備も大変な方、小さいお子さんも一緒に何組もの親子で交流したい方、などなど、食事をする場を提供することによって、さまざまな暮らし方を支えることができます。また一方で、単なるボランティアではない働き場所を身近な地域につくり出し、心身に障がいがあっても、高齢でも、短時間でも仕事を得る機会につながっています。さらに、地域の商店などで食材を調達し、近所の方たちが働き集い、世代を超えたつながりづくりにも役立っています。
このような場づくりに対して、区の支援体制をもっと整えるように生活者ネットは提案を続けています。始まりは小さな市民活動ですが、区内にはいろいろな試みが始まっています。それらの活動を育てて、共にまちづくりに取り組むシステムを構築するのは区の大きな役割です。
実績を重ね第一線を退いた中高年の方たち、家事も介護もパート労働も地域活動も一手に引き受けている女性たち、未来に向けて発想豊かな若者・子どもたち・・・生活者ネットは「市民力こそ大きな財産」「市民が元気になるために政治がある」と考えています。
2009年、「暮らしの安心」は、市民の力を活かして!お互いの権利が大事にされる品川をめざして生活者ネット進んでまいります。どうぞ本年もよろしくお願いいたします。 生活者ネットワーク一同
写真:ネット事務所前で2009年の初遊説を行ないました。(2009年1月5日)