プラスチック資源回収に18台の収集車が月曜日〜土曜日まで6地区をまわっています。この日は荏原地区の収集日。集められたごみは袋を破くため、粉砕機にかけられ、磁石で金属が除かれ、作業員4〜5人の手作業によって、びん・缶・ペットボトルや異物が取り除かれていきます。一連の作業を見学し、たいへん手間のかかることだと感じました。分別変更が始まったばかりの10月は容器包装プラごみは少なかったが、一ヵ月半経った現在は一日3.3〜3.5トンの資源が集まり、日増しにその量は増加しているそうです。
東海運輸は品川区と日量4トンの契約をしていて、集積所のキャパはまだまだあり、もっと多くの資源が集まっても対応は可能とのことでした。そして、おもちゃ・文具などの製品プラスチックの混入や食べ残しのついた容器が混ざるなど、まだまだルールが徹底できていない課題はあるが、現在は職員が回収時に口頭で指導に当たっているといいます。
23区のうち、品川区のようにプラスチックごみをリサイクルする区と、ほとんどを可燃ごみとして焼却する区とがほぼ半数になりました。容器包装リサイクル法(容リ法)の最大の問題点は、リサイクルの過程で市区町村が担う部分に一番負担(費用・人員・時間)が重くかかっているということ。つまり、リサイクルに取り組む自治体ほど費用がかさむ「資源化貧乏」になってしまうということです。23区すべてが『プラスチックは資源』との認識を共有し、リサイクルの実施に取り組みつつ、容リ法改正の運動を広げる必要があります。
日々の暮らしの中で、どんなにごみを出さない努力をしてもごみは出るものです。エコバッグ持参、使い捨て容器のものはなるべく買わない、生ごみの堆肥化・・・など自分ができることから実行してみる、それと共に、出たごみは徹底した分別でリサイクルしていく。面倒かもしれないが、循環型社会づくりには、市民の努力は不可欠です。自治体と市民が協力し合って、企業・事業者の責任を明確にした取り組みを進めることによって、ごみ問題の本当の解決方法を見つけることができるのではないでしょうか。<いちかわ・かずこ>
写真上:異物を取り除く地道な作業。ライターは容器包装プラではありません。運搬中に発火の恐れがあり、必ず陶器・ガラス・金属の不燃ごみで出してほしいということでした。
写真下:ECOセンターの前で。井上八重子(右)と市川和子(左)