90分サロン開催 9月18日(木)18:30〜20:00

障がいがあっても安心して暮らせる地域をつくるには

私たちは、身近に障がいのある方がいなければ、日常生活の不便さを知らないまま見過ごしてしまいがちです。今回は中途視覚障がい者の下堂薗保さん(東大井在住)をゲストに迎え、障がいがあっても安心して暮らせる地域をつくるためには、どのような気づきや行動・しくみが必要かについて、お話を伺いました。

 航空管制官をしていた下堂薗さんは、網膜色素変性症のため42歳頃から視力が落ち、仕事を続けられなくなるかも知れない不安の中、職種を事務職に移し、仲間達と色々な活動をしながら、当時は解雇が普通だった中途視覚障がい者の復職に力を注いで来られました。
   
現在は『NPO法人タートル』で、相談会や交流会を開き、中途視覚障がい者の方が仕事をやめずに働き続けることができるよう行政や企業に働きかけたり、職場の環境づくり、障がいへの理解を進めるための講演・現状調査・書籍発行など幅広い支援をされています。また、パソコンや音声ソフトを使って就ける職業が大幅に広がり、少しの理解と工夫で働き続けられる方が、大勢いる事も知りました。

日常での接し方としては
   ・建物の中では一度配置の確認が必要で、位置が変わったらその都度教える。
   ・職場内の人や物の位置関係・電話やファックスの扱い方などは、言葉だけでなく実際に触ってもらう。
  ・イスの位置は背もたれを教える。座面を触るためにかがむと、テーブルに頭やメガネをぶつけ思わぬ怪我をする事がある。
   ・世話を焼きすぎず、出来る事はやってもらう。
   ・本人は周りの状況がわからないので、放置せずにいつも声かけをする。
などで、誰もが安心して暮らし・働くために私たちにできる事は、少しの心配りと声かけから始まるのだ、と改めて思いました。                              
  下堂薗さんはとても朗らかな親しみやすい方で、もっとお話を伺う機会をつくり、多くの方に聴いていただきたいなと思いました。(事務局/高野)