乳がん検診の充実に手立てを

<都・区をつなぐ>ネットニュース№64より

 日本人では、乳がんは25人に1人がかかるといわれ、胃がんを抜いて第1位です。食事の洋風化や出産年齢の高齢化にともなう女性ホルモンとの関係が大きいといわれています。なかでも東京は乳がんの死亡率が全国ワースト1。受診率もワースト2ですが、乳がんは早期発見・治療により95%が治るといわれています。
 
 2004年に乳がん検診のあり方が見直され、厚労省は視触診だけでは不十分として、区市町村が実施する40歳以上の乳がん検診へのマンモグラフィ全面導入を決定、体制整備を急いできました。05、06年には緊急対策として、検診に従事する医師や診療放射線技師の養成やマンモグラフィの整備を推進しています。都ではおよそ500人の医師や専門技師の研修を行い、52の自治体でマンモグラフィ検診を実施しています。

 都の受診人数の推移は、03年度16717人から05年度89581人と5倍に増加、しかし全体の受診率は低く8.6%に過ぎません。都は「健康推進プラン21後期5ヵ年戦略」において乳がん検診の受診率目標を50%としていますが、区市町村の受診料には無料から2千円程度まで個人負担に差があるのも実情です。

 品川区は34歳以上に検診通知を送り、受診料負担は千円ですが、検診率は6〜7%程度に留まっており、都を下回っています。早期発見のためには「ピンクリボン運動」などの啓発とともに、対象年齢の引き下げや受診時に保育を整備するなどの改善も必要です。(写真は芝公園内の桜と柳の若葉。3月26日撮影)