<寄稿> 戦後62年目の東京大空襲訴訟

  昨年3月9日、東京大空襲の被害者(遺族原告含む)112名が、国に対して謝罪と損害賠償(総額12億3200万円)を求める訴訟を起こしている。

原告の主張は、民間人被害者に対してなんらの援助をせず、切り捨て放置してきた国の責任を問うものだ。裁判を通して、戦後60余年という長きに渡る犠牲者の凄惨な体験を語り、「日本国土が兵と民の区別無く戦場化していた」「東京空襲は国際法違反の無差別じゅうたん爆撃であった」「戦争を開始した国の責任と戦後も国民の救済を怠ってきた事実」「一部を除く軍人・軍属のみを対象とした差別的戦争被害補償」等を明らかにしていきたいとしている。

<東京大空襲とは>
  1945年 (昭和20年) 3月10日午前0時7分から、来襲したアメリカのB29爆撃機325機により33万発もの焼夷弾が、深川、本所、浅草を中心とする下町の住宅密集地28.5平方キロメートルに集中投下され、わずか2時間半で犠牲者10万人余、被災者100万人、焼失家屋約27万戸余の被害を与えた無差別絨毯爆撃をいう。このような大量殺戮行為は世界にも類を見ない。その後も空襲被害は全国各地に広がって、広島・長崎への原爆投下という結果につながった。

 今年3月10日、第2次提訴でさらに21名の原告が加わった。現在、原告団の平均年齢は75歳、「このままでは死ねない!」との悲壮な決意によって起こされた行動に国民の一人として共感し、できるかぎり支援していきたいと思う。

 第5回公判は、4月24日(木)東京地裁103号室 午後3時開廷の予定。

                       平和をつなぐ市民の会品川 一同