〜「いま平和を考える  沖縄・辺野古基地問題から」〜

 品川ネット新年の集いを16日(金)の夕方、地元大井一本橋商店街の沖縄料理の店〔でいご〕で開きました。大勢の参加でにぎやかな新年の集いとなりました。
 ゲストの「沖縄一坪反戦地主会」関東ブロック代表上原成信さんと外間三枝子さんに沖縄の歴史と基地問題の今を話していただきました。外間(ほかま)さんが『生活者通信No.148』(東京・生活者ネットワーク発行)に掲載した記事〔なぜ沖縄だけに基地を押しつけるか・・・〕が縁で上原さんに来ていただく事ができました。
 沖縄は普天間基地返還が日米間で7年前に合意されましたが、基地の返還がなされないまま、新たに普天間基地に替わる基地の建設に脅かされています。基地建設移籍先とされたのは、名護市辺野古沖海上です。埋め立て方式の長さ2500メートル(滑走路2000メートル)約184ヘクタールの巨大海上基地が造られようとしています。この辺野古沖は滅亡の危機にさらされている天然記念物ジュゴンの生息地です。そして美しいサンゴ礁の海です。基地工事着工に向けて地質調査として63ヵ所のボーリング調査が予定されています。ボーリング調査が行われれば、足場を組むことも含め海底を掘削して穴を開けるため、魚の餌であり住かである海草藻場やサンゴ礁が破壊されます。また音に敏感なジュゴンを追い出すことにもなってしまいます。

 1927年生まれの上原さんは淡々とご自分の若いころの沖縄の話をされました。沖縄の住民は終戦から強制的に土地を基地にするために取り上げられて、法律は政府に都合の良いように改正され軍用地契約拒否地主の土地も強制的に使用し続けられています。上原さんが若いころの話をした理由を「沖縄にはじめから基地があったわけではないということを伝えたかったから」とおっしゃった時、私はなぜ沖縄だけがという上原さんの切ない思いを強く感じました。
 今日、政府はイラク復興支援として陸上自衛隊先遣隊を送り出しました。そして、嘉手納基地などからの米軍戦闘部隊派遣は拡大する傾向にあります。イラク戦争がなぜ起きたのか、破壊行為の責任はどこにあるのか、その事には目をつぶり、日米同盟関係、国際貢献のみを強調する政府の姿勢には納得がいきません。ネットの新年の集いは、人権や平和を自分の事として考え、発言していこうと改めて心に決めるスタートとなりました。(区議会議員・井上八重子)