新型コロナウイルス感染症に関して、品川・生活者ネットワークから区への質問と要望
新型コロナウイルス感染症に関する品川区の施策について、色々な方からご意見やご要望をいただいています。皆さまのご意見をもとに生活者ネットワークとしての質問・要望事項にまとめ、品川区へ提出しています。
これまで3回にわたって提出していますが、本日はその内容をまとめてご報告します。
■品川区としての情報発信・情報提供について
*品川区のHPでの情報提供のあり方に改善を求めました。
新型コロナ感染症の影響で困難な立場に立たされた事業者・個人に対する支援策が様々打ち出されていますが、それらの制度についての品川区のホームページ上での情報がとても分かりにくくなっています。他自治体のHPではトップページに相談窓口や支援策につながる入口があり、そこをクリックすると事業者、働く人、生活に困っている人、障がい者、高齢者など、様々な立場の方たちに関する情報にアクセスできるようになっています。
ところが、品川区のホームページでは「感染症関連情報」というところはあるものの、そこをクリックしても必要な情報には行きつけません。
*特に情報を得にくい障がい者への配慮を求めました。
支援を必要とする障がい者への情報提供については特段の配慮が必要です。特に情報を得にくい視覚障がい者や聴覚障がい者へは障害特性に合わせたきめ細かな対応が求められます。当事者からいただいたご意見に基づき、対応を求めました。
*区内の感染状況についての情報を区として発信することを求めました。
区内の保育園での感染者発生について、園名の公表を求めました。区は「風評被害を生まないため」として公表に消極的です。しかし、周囲の方たち、ご近所の方たちはすでに承知しており、区としてきちんと公表しないことに不信感をいだいています。一方で正しい情報を知らない人たちの間で「間違ったうわさ」が広がっている事実もあります。隠すことは却って疑心暗鬼を生みます。
きちんと区として「人権侵害に当たるような不適切な風評は厳に慎むよう」付け加えたうえで正確な情報を公表し、区民の注意喚起につなげることを求めました。
■保育園利用者への配慮について
*区立・私立保育園を休園とすることを求めました。
品川区は保育園を「利用を限定して開園」としています。家庭で保育が可能な人へは登園自粛を強く要請し、特段の理由がある家庭に限って預かっています。そのため、職場から休ませてもらえない方たちがいます。他自治体では、休園だが特段家庭に限って預かるという対応をしているところが多いのが現状です。実態は変わらないのですが、保護者にしてみれば自治体の要請で仕事を休むのか、自粛で休むのかで大きく変わってくるのです。「休園だが事情のある場合は預かる」に変えるよう求めました。
*新型コロナウイルス感染症の影響で雇用を打ち切られた家庭への保育認定の有効期間(保育期間)について配慮を求めました。
保育園を利用している保護者が退職した場合、求職活動中の2か月間の保育期間を認められています。しかし、今回の新型コロナウイルス感染症の影響で解雇されてしまった保護者が、感染症の影響が続くこの状況下で2か月間での再就職は難しいと思われます。
例えば「保護者が求職活動をしている期間は退園を猶予する」などの対応が必要と考え、配慮を求めました。
■品川区としてのPCR検査体制について
*品川区としてのPCR検査体制を確立することを要望しました。
他自治体ではすでに医師会との協力のもと、自治体独自の検査体制強化策に乗り出している事例があります。品川区としても医師会、並びに地域医療に取り組んでいる開業医の協力を得て検査体制強化に取り組むことを要望しました。
■国が実施の一人当たり10万円の給付について
*DV被害者など、給付が元々の世帯の住所に届いては困る方たちが個人で受け取れるようにするための配慮を求めました。
DV被害者の中には、まだ区への相談もできずに息をひそめて暮らしている方たちも多いのでは、と懸念しています。給付をもっとも必要とする方たちの一人です。そういう方たちが一人ももれなく必要とするお金が受け取れるよう、制度上の配慮や広報を求めました。
■学校再開後の学校行事への対応について
*学校再開後の行事について質問を2点出しました。
4月20日の文教委員会で「学校再開後の学校行事への対応」について報告がありました。すでに連合行事は中止が決定していますが、移動教室など実施可能か検討されるということです。その中で運動会と展覧会が実施困難 となっています。
学校再開後も引き続き感染防止を前提とした行動となるのは当然です。
しかし、現時点での実施困難とはどういう意味なのか質問を提出しています。その上で、例えば、運動会で言えば純粋に「学校全体で運動する機会を持つ」ことを目的に準備や練習にあまり時間をかけないで実施の検討が可能ではないか、という質問をしています。
品川・生活者ネットワーク 幹事長 吉田ゆみこ/田中さやか