第16回環境自治体会議『ゆざ会議』に参加して

水を守る、素敵な人々

 我が家の食べている米は、山形県の遊佐で作られ、生活クラブ生協から共同購入しています。そんなご縁もあり、米作り農家の皆さんにも会えるのを楽しみに『ゆざ会議』に参加しました。

 今年のテーマは〜変わらなくてもいいものがある〜、生物の持つ多様性や自然との共生をベースに、農業・食糧問題・ごみ問題・公共交通や建築などを考えようというものです。

 参加した分科会が「人にも魚にも優しい石けん」だったので、水を大切にする取り組みにたくさん出会うことができました。
 最初の出会いは、環境整備をした八ツ面川の事例で、用水路をすべてパイプ化したために水の量が減り、さらに人の手から離れてしまったので川の環境は悪化し、悪臭が漂うようになってしまったそうです。その改善には、2年の調査と6年の工事期間を要し、4億4千万円という費用をかけ、維持管理をしながら、今は皆の憩いの場になっているそうです。
 次は、遊佐町のJA婦人部の取り組み。婦人部では生活クラブ生協との交流の中から、子どもたちの未来を守ろうと石けん作りを始めています。とても元気な女性たちで、子どもたちの環境教育の場を設けては、方々に出かけているということです。さらに、なんとJAショップには合成洗剤はまったく無く「JAックル」(作っている石けん名)だけが置いてありました。

 各地の取り組み報告では、女性村長と女性の村議会議員が出席していた秋田県大潟村の、ゴルフ場建設反対から起こった石けん運動のお話には泣かされました。「自分たちもまた水を汚している加害者だ」と気づき、きれいな水を守ろうと農業の傍ら、手作り機械と廃油で石けんを作っているというのでした(右下の写真)。
 また、我孫子市の前市長からは、手賀沼をきれいにした話の中で、汚れた沼を買い取るとき市民から2億円でよいところ、10億円ものお金が集まった…決してみんな汚れていることに無関心ではなかったこと、など印象深い現実を知ることができました。

 遊佐は、鳥海山からの恵み・きれいな湧水のあるまちです。そんなまちを歩き実際にこの目で見て、また全国の「水を守る」素敵な人々に出会うことができて、心豊かに潤う気持ちでいっぱいになりました。東京からも仲間を増やさなければ!と思っています。(品川ネット運営委員/小林)
※「ゆざ会議」の報告会(90分サロン)を7月17日(木)10時〜12時、品川ネット事務所で行ないます。