審議会は、政策形成の過程に市民が参加し意見を反映できる貴重な場となっています。委員は区長が委嘱する学識経験者や公募区民で構成され、学識経験者の中に専門家・町会・自治会役員や議員が含まれています。
品川区でも、長期基本計画の策定やごみ減量推進、介護保険制度など、区民生活に直結する事柄が話し合われ、多くの場合、出された答申を参考に、区政運営のための実施計画、法整備や制度づくりが行われます。
一方、区議会は区長の提案する計画案や施策、予算・決算などを調査・審議して議決し、行政側が適切に執行しているかを区民に代わりチェックする役割があります。両者とも区民の利益の実現をめざして機能しなければならず、互いに独立した対等な機関であることは言うまでもありません。
現在、法令で議員を構成員とすることを定めている審議会もありますが、新たに設置する場合は、区長から議会へ委員選出の推薦依頼がされています。たとえば、4月に発足した「文化芸術・スポーツ振興ビジョン策定委員会」は、委員総数20名中5名が議員、公募委員は4名という構成です。
区民の代表という扱いで、委員となった議員のみが審議会の情報や議論の過程を知ることは、議会全体としてマイナス面が大きいと、議員の参加について他自治体でも見直しが始まっています。
区議会は独自で審議会委員と意見交換し情報を得るなどの工夫を行い、議員の審議会への参加は避けるべきではないでしょうか。
編集委員 舩尾豊子