第一回定例会最終日に討論を行いました

2018年3月30日 18時29分 | カテゴリー: トピックス

第一回定例本会議が閉会しました。最終日の3月27日に品川・生活者ネットワークは2つの討論を行いました。

吉田ゆみこは「第42号議案 品川区国民健康保険条例の一部を改正する条例」に反対の立場で討論しました。
田中さやかは羽田機能強化に伴う新飛行ルートの請願陳情3件に賛成の立場で討論しました。
請願第1号 2020年実施計画に基づく「品川上空飛行ルート」の中止を国交省に求める請願、請願第5号 羽田空港増便による低空飛行について、国交省に対する区の対応に関する請願、陳情第5号 羽田離着陸新ルート計画中止を求める陳情

こちらが討論です。

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品川・生活者ネットワークを代表して、「第42号議案 品川区国民健康保険条例の一部を改正する条例」に反対の立場で討論します。

本条例案は国民健康保険法等の改正に伴って、品川区国民健康保険条例を改定するものであり、改定の大きな意味は「国民皆保険の維持」であるということがたびたび説明されています。しかし、本改定は現時点の国民健康保険制度が抱える矛盾点をそのまま認めることを前提としており、反対です。

本改定の方向性は、国民健康保険事業会計への一般財源からの繰り入れを段階的に解消するなど保険料の値上げにつながり、現時点でも中間所得層にとってもかなりの負担となっている保険料が、低所得層ではさらに重い負担となって払いきれない家庭が増えることが懸念されます。将来的には皆保険のしくみから否応なく漏れざるを得ない人々の増加につながり、結果として皆保険制度の維持をうたいながら無保険者を生み出す仕組みになるのではということが強く懸念されます。

国民皆保険制度維持の必要性は誰もが認めるものですが、なかでも国民健康保険は他の公的医療保険に入れない人、そして入っていたが退職などでそこから抜けることを余儀なくされた人などすべての人が加入できる皆保険制度のセーフティネットともいうべき存在です。

皆保険制度として国民健康保険が整備された1960年代当初の加入者は農林水産業者や自営業者などが加入者の約7割を占めていましたが、今や無職の人が4割以上を占め、次いで多いのが被用者で3割以上、その多くがパートや派遣などの非正規雇用です。つまり、7割以上が無職か非正規雇用された被用者であり、所得の低い層が国保の加入者です。加入者の8割弱の世帯が所得200万円以下です。

日本では、低所得層を対象とした医療保障制度は生活保護の医療扶助しかないので、国保は生活保護手前のセーフティネットとして医療を保障する大切な役割も担っているのです。

そこに高い保険料負担を課せば、皆保険のしくみが破たんすることは目に見えています。

そもそも、年々高くなる国保料を作り出している主な要因は国保の運営に対して国が負担をしなくなったことにあります。1984年の国民健康保険法改正により国庫負担が削減され、それ以降事務費の国庫負担廃止などの削減が続いた結果、国保の総収入に占める国庫支出金の割合は1980年代には約50%を占めていたものが今では25%です。国庫負担を減らした分の負担を国保加入者と自治体に転嫁されてきたのです。

転嫁された責任を自治体が自助努力によって加入者の保険料を下げるために一般会計から繰り入れを行い、あるいは保険料の減免措置を講じるといった施策をとることで果たしてきました。今後、国保のより良い在り方を模索する上では、改めてこれらの施策に積極的な意義を見出す必要があります。

品川区としては、区民の健康と福祉の向上を保障する立場から、国保に対する国庫負担削減の方向性に強く異議を唱え、問題提起を行うべきです。その上でこれまで保険者として果たしてきた役割を積極的に評価し、継続すべきです。

本当の意味で国民健康保険を皆保険制度のセーフティネットとするためには、高い保険料が生み出される構造、保険料を滞納せざるを得ない状況を回避しなくてはいけません。そのためには国保に加入する人の実情、国庫負担の減額により加入者と自治体に負担と責任が転嫁されている仕組み、など構造的な問題への着手が必要であり、急務です。

国民健康保険法は1958年に全面的に改正され、第一条に掲げられた目的が大きく変わりました。それまで相互扶助のしくみとされていたものが、社会保障のしくみであることが明記されました。

国民健康保険の制度自体が大きく変えられようとしている今、改めてこの国民健康保険法第一条に掲げる原点に立ち返り、本当の意味で持続可能な国民健康保険制度構築への議論を品川区議会として取り組むことを呼びかけて、品川・生活者ネットワークの反対討論とします。

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品川・生活者ネットワークを代表し、

請願第1号 2020年実施計画に基づく「品川上空飛行ルート」の中止を国交省に求める請願

請願第5号 羽田空港増便による低空飛行について、国交省に対する区の対応に関する請願

陳情第5号 羽田離着陸新ルート計画中止を求める陳情 に賛成の立場で討論をいたします。

 

請願第1号は、超低空飛行によって住民生活を脅かされる不安感、騒音、事故、大気汚染などの住民環境の悪化、資産価値低下など住民に多大な犠牲を強いる新ルート案を撤回し、現状の海上ルートを継続して欲しいと区から国へ申し入れるよう求めています。

請願第5号は、区に対して、区と国交省の交渉状況を、区民へ情報を公開すること。国交省との交渉状況について区民の意見を聞く場を設けること。加えて国交省の「環境影響等に配慮した方策について」において、「品川区関連」事項でメリットが示されたとしても、品川区は低空飛行を認めることの無いように求めています。

また、陳情第5号は、騒音と落下物への不安とともに、過去に八潮地域で航空機の騒音の影響から児童の落ち着きが無くなり、不眠に陥った健康被害が顕在化した問題にも触れ、資産価値の下落に対する不安と、住民生活の安全と健康維持のために羽田離着陸新ルート計画の撤回を求めた陳情です。

どれも、品川区上空の低空飛行に対して多くの区民が抱いている不安であり、且つ何一つとして十分な説明もされないままの問題です。これらの請願者・陳情者の不安はいずれも大いに共感できるものであり、採択が妥当と主張します。

品川区はこれまで、国交省に対し、住民への不安払しょくに向けた丁寧な説明を求めており、未だ十分な説明と認識していない、新ルート案を承認していない、と区議会で答弁していました。

しかし今回の予算特別委員会の中で明らかにされた国交省の来省記録によれば、2016年4月、同年5月の2度に渡り区長は国交省へ出向き、新ルート案を容認したともとれるやりとりが公文書として残っていることが明白になりました。予算特別委員会の質疑の中で品川区は、国交省の交渉記録に関して、「これはあくまでも仮定の話であり、国も仮定の話だと了承している」としましたが、国交省の記録からは仮定の話だと読み取ることは出来ません。一方で区としての記録を残しておらず、仮定の話をしただけで容認してはいないという発言を証明する根拠はありません。

さらに国交省の来省記録からは、地元へのメリットの創出としてインフラの整備を求めたとも読み取れる内容が記載されています。都心低空飛行の羽田新ルート案に対する多くの区民の不安は、落下物等による生命の危険です。生活者ネットワークとしては命に代わるメリットがインフラの整備であるという考え方を到底容認することはできません。

このような国に対する区の姿勢では住民の不安はますます広がるばかりです。

改めて主張します。もし、このまま計画が実行され、万が一の事態があった場合、容認してきた議会の責任も区民から問われます。

請願の採択を議員の皆様に呼びかけて、品川・生活者ネットワークの賛成討論を終わります。

以上